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Posted by ミリタリーブログ  at 

2011年11月12日

K.T.W. M70シリーズ How to トリガーメカ編


通常分解に引き続き、今回はトリガーメカに焦点を当てていきたいと思います。

M70のトリガーメカは初期型と後期型(現行型)の二種類が存在しますが
今回は後期型となる、現行型の前倒れ式トリガーメカを取り扱います。


分解にはまず、マガジンプレートにテンションをかけてる板バネを外します。

この部品はプレートだけでなく、装填したマガジンの押さえもかねているので
変形させないよう注意してください。


板バネを取り外すとトリガーボックスを固定しているネジ類が露出します。

ネジはすべて+ネジですが、前後のネジと左右のネジで頭の形状が違うので
分解後は間違えないように分けて保管すると良いでしょう。

尚、すべてのネジにスプリングワッシャーが使われているため
こちらも無くさないよう注意してください。


ネジをすべて取り外せばトリガーボックスを引き抜けますが、そのままだと
画像のようにリリースラッチがレシーバーに引っかかるので少しレバーを
押し込んでから引き出すとスムーズに行きます。



トリガーボックスを引き出したら、反対方向にあるネジ3本を抜き取ります。

このときも抜いたネジが何処で締められていたか分かるよう
あらかじめメモしておくか順番に並べておくと間違いや紛失を防げます。


トリガーボックスを開いた状態です。

初期型と後期型の大きな違いが1stシアーの形状で、初期型がVSRタイプの
ピストンとの接点が斜めになっているのに対し、後期型は直角となっています。
これによりシアの解法方式も変わり、APSのような前倒れ式となっています。

すでに色々弄った後ですが、トリガーセフティとなるシャフトについているワッシャーは
個人で行った物で、この辺りはガンスミスエンジニアさんにてM70のリポートでも
触れられています。


さて、今度は通常分解編で述べたリリースラッチの動作問題を取り上げます。

動作が堅い最大の原因が、レバーの内側がボルトハンドルセフティの
プランジャーが収まる溝の窓枠と干渉している為です。

窓枠を削り落としてしまっても良いのですが、今回はリリースレバー側の干渉して居る部分を
徹底的に研磨して対処しています。


上記の対処をしてもまだ動きが渋いため、他の部分も確認した所
セットピン周りもバリが出ているためか動きが渋かったので、こちらも
徹底的に研磨します。

セットピンはエッジを面取りし、ボックス側も多少削りました。

ついでに2ndシアー側も表面の研磨とエッジの面取りを行います。
特にエッジ部分は意外とバリが多く、トリガーフィーリングにも影響するので
徹底的に研磨作業を行う方がよいでしょう。

これでリリースレバーの動作修正は一通り完了となります。

内部の修正作業が終わったら、いよいよ組み立てに入ります。
まずは最大の難関でもある、1stシアーとスプリングの組み方から進めます。

シアー先端を研磨してますが、これはシアが解放される度にレシーバー側の
スリット先端にあるエッジにぶつかるため徐々に変形していってしまいます。

ある程度まで変形してアタリ?が取れた後は目立った変化はありませんでしたが
気持ちの良い物ではないので、ぶつからないよう面取りを施してあります。


1stシアーとシアースプリングはこのような状態で組みますが、この時点では
多少アバウトでも問題ありません。




トリガーボックスに2ndシアーを組んだ状態ですが、1stシアーに組む
スプリングの突起は、画像中央にある小さなスリットに差し込みます。

これが非常にやりづらく、コツとしてはスプリングを組んだ1stシアーを
斜めに差し込み、先にスプリングが掛かるように組み込むと幾分か楽です。

1stシアー、2ndシアーを組み込んだ状態です。

シアーをボックス内に固定するピンは二種類有り、短い方が2ndシアー先端
長い方を1stシアーに組み込みます。

この後、トリガーや各種スプリングに部品を組み込んで完成となります。



すべての部品を組み終えたら、後はトリガーボックスをレシーバーに取り付けるだけですが
このとき、前後のネジと左右のネジで締めるテンションが異なります。

前後のネジは締め込んでしまって問題ないのですが、左右のネジはモナカの
トリガーボックスな為、思いっきり締め込んでしまうと左右でテンションがばらつき
トリガーの動きをおかしくしてしまう危険性があります。

そのため、前後と違い左右のネジはスプリングワッシャーの弾性で止める程度にしておき
ネジロック材を垂らして固定すれば十分です。

以上の行程を経てトリガーボックスを取り付けた後は、最初に取り外した
フォロアーの板バネを取り付けて完了となります。  

Posted by ハンク  at 17:31Comments(0)How to 系

2011年11月10日

K.T.W. M70シリーズ How to 通常分解編


韓国ドンサン社より製作され、K.T.W.で日本仕様に改修、販売されているM70シリーズですが
他のボルトアクションライフルと比較すると勝手が違う面も多く、特に組み立てに際して
思わぬ落とし穴があったりもします。

今回は何度かに分けてM70シリーズの分解、組み立てに際しての注意点を
述べていきたいと思います。
使用するモデルはウィンチェスターM70 Pre64モデルですが、基本構造は
シリーズ通して共通となっています。

尚、本製品はすべてK.T.W.にて調整済みの状態で出荷されているため
分解はすべて自己責任の元で行ってください。

まず、ストックにレシーバーを固定しているねじ二本を取り外します。
エンド側の長いネジに真鍮パイプが組まれていますが、これは
ストックへレシーバーが食い込まないようにするピラーベディングです。
長さは実測値よりやや+寸法で31.5mmにしてあります。


次にチャンバーを取り出すため、チャンバーブロックを取り外します。
まずは先端の穴が開いてる部分の奥にある+ネジを取り外します。




+ネジを取り外した後に、HOP調整ダイヤルを回してチャンバーブロックを
取り外します。
ここでアウターバレルを取り外せば、チャンバーユニットを取り出せますが
そうなると、組み込みの度にチャンバーの水平決めという問題が出ます。


まず、レシーバー後端のリリースレバーを押してシリンダーを引き出します。

この部分はレバーの動作が非常に堅く、最悪レバーを破損しかねないので
写真の状態で操作することをK.T.W.では推奨しています。
この部分については別の機会に対策を記述いたします。

シリンダーを引き出したらいよいよ、チャンバーユニットを取り出します。
まずはBB弾の給弾部分に先の細いドライバーを差し込み、チャンバーを
レシーバー側へ押し出します。

このとき、チャンバー外周部のOリングを傷つけぬよう注意してください。

アウターバレル内からチャンバーが抜けたら、シリンダーセットピンが
下がった状態で本体を傾けるとレシーバー側から引き出せます。

動きが渋い場合は銃口側から柔らかめの素材で押し出すと良いでしょう。
とりあえずこれで、通常分解は終了となります。



今度は組み立ての方になります。基本的には分解と逆の手順・・・ですが
M70に限らず、実は分解以上に組み立てが難しかったりします。

まずは分解時と同じ要領でチャンバーをレシーバーより差し込みます。
このとき、シアーが引っかかるのでトリガーを引いた状態で行います。

チャンバーを差し込み終えたら、チャンバーブロックを取り付けますが
必ず最初にHOP調整ダイヤルから取り付け、それから+ネジを締めます。

逆の手順でネジを締めようとすると、調整ダイヤルのネジがつっかえ
+ネジが入って行かず、無理に締めると破損の原因にもなります。

このとき、チャンバーブロックはガチガチに固定するのではなく
僅かにチャンバーブロックが動く程度に+ネジを締め込みます。

ここをガチガチに固定すると、アウターバレルに開けられたネジ穴のクリアランスで
微妙ながら斜めにブロックが固定されるばかりか、アウター内部でチャンバーが
下方面に押しつけられ、センターが狂う原因ともなります。


また画像を使い回していますが(汗)チャンバーのセットが終わったら
シリンダーを本体にセットします。

チャンバーと同じようにトリガーを引き、シアーがフリーの状態で行いますが
そのままではレシーバー後端より飛び出すトリガーセフティが干渉します。

まず、トリガーを引いた状態でシリンダー本体がシアーより奥へ差し込んだら
次にトリガーを離して最後までシリンダーを押し込みます。

初期型のトリガーメカはリリースレバーを引くと同時にシアーも降下しますが
現行型の前倒れ型構造になってからは、セットピンのみしかリリースされないため
このような処置が必要となります。

最後にリリースレバーを戻すとき、動きが堅い場合は無理に動かさず
直接シリンダーセットピンを上へ押し込み、初期位置に戻します。


チャンバー、シリンダーともに組み込みが終わったらいよいよ
ストックとアクションの結合に入ります。

このとき、ネジは前方の短い方から締め込んでから長いネジを
締め込んでいきます。

逆に長い方から締め込んでしまうと、アクションがストックへ食い込んでしまい
全体的に斜めとなって固定されてしまうため、もう一方のネジが締めれなくなります。




最後に銃が組みあがったら、一度コッキングをしてシリンダーを引ききった状態から
銃を傾け、シリンダーが抵抗無く閉鎖されれば組み立て作業は終了となります。

このとき、シリンダーが途中で引っかかったり全く動かない場合は
アクションが斜めに固定されている可能性が高いので、固定ネジの取り付け直しとなります。


今回はあくまで通常分解および、組み立てのみに焦点を当てたので
そのほかの部分や、問題部分の修正作業については追って記述したいと思います。  

Posted by ハンク  at 01:30Comments(0)How to 系