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Posted by ミリタリーブログ  at 

2012年01月01日

KTW製 M70 SPR・A4


2011年末に満を持してKTWよりM70シリーズ最新作、M70 SPR・A4が発売されました。

本モデルは、今までのWinchester製M70 Pre64モデルをベースにした物とは異なり
FNH社より製造されているSPR(スペシャル・ポリス・ライフルの略称)シリーズの
M70アクション用McMillan製A4ストックが装着されたモデルを再現した物となっています。

SPRシリーズとは旧Winchester社がFNH社に吸収合併された後、CNCマシンを用いて
絶大な支持を受けていたPre64モデルを再現した、いわば復刻版Pre64アクションであり
その高い命中精度からFBIを始め、警察関係など各法執行機関にて正式採用されています。

2012.1.9加筆修正


本製品は銃本体の他に取扱説明書、恒例のグルーピングチェックシートと
標的二枚、エクステンションHOPレバー、マガジン二本が付属しています。

尚Harris製バイポッド、Hawke製SIDE WINDERは付属しません(笑



今までの細身なストックと異なり、無段階調整できるチークピースや
スペーサーによるバットプレート長の調整など、タクティカル志向が強い
モデルとなっています。

ストック後端にはQDスリングスイベルベースが備わっています。


バットプレートの調整は大小2枚ずつのプレートにより調整可能で、画像の通り
すべて取り外してバットプレートのみ取り付けることも可能です。

バットプレート部のネジは3mmの六角レンチで取り外しが出来ます。



旧モデルで度々言われていたバットプレート部、ドンサンモデルのマークは
今回はオミットされており、純粋に滑り止めのみの突起だけとなっています。

この部分は部屋撃ち用やディスプレイする方にとって朗報かも知れません。
ストック部分の別売もされており、価格は¥15,525とのことです。


グリップ周りやストック先端も今までの流線型から直線型になっており
グリップ部分とストック先端には滑り止めのシボ加工が施されています。

また、ストック先端にもQDベースが備えられており左右どちらでも
スリングの装着が可能になっています。


グリップ周辺のアクション形状はブラックシャドウモデルに準じた
作りとなっていますが、細かな変更点としてウィング型セイフティが持ち上げず
そのまま回転させるだけでON/OFF出来るように仕様変更されています。

実銃通りなので仕方ないですが、ボルトハンドルが短くやや操作しにくいです。



グリップ部分の端をみると、樹脂の成形不良なのか湯ジワや肉痩せが
発生しています。

機能には差し支えない部分ですが、気になる方はパテなどを使って
再形成する必要があるかと思います。


M70と言えば、レシーバー後端のラッチ操作によりワンタッチで
シリンダーが引き抜ける利点がありますが、チークピースが追加されたことで
そのままでは干渉するため引き抜けなくなっています。

ここはチークをはずすか、アクションをストックから取り出す必要があります。


アクション部分では最大の変更点が細身のテーパードバレルから
フルート入りのブルバレルになった部分でしょうか。

太さは直径25.6mmと従来と比べかなりゴツくなっています。



ストック前後に備えられたQDベースは実物にあわせた企画とのことで
取り付けには別売りの純正品か実物品が推奨されており、バイポッドベースも
実物Harris製が問題なく装着可能です。

左側に見えるダイヤルはHOP調整ダイヤルとなっています。


ストックとアクションの結合は今まで通り、トリガーガード&マガジンプレート部
の前後二本のネジによって行われています。

尚、トリガーガード部の長いネジには締め込み過ぎないようワッシャーが
追加されていました。


パッとみた感じ、アクションはブルバレル仕様になった以外ブラックシャドウの
アクションとほぼ同じ感じです。

尚、メーカーよりブルバレルとHOPチャンバー基部がセットにて¥14,700で
別売りされています。


レシーバーは裏を見ると内部がくり抜いて軽量化されており、大型ストックとの
組み合わせでも負担にならないよう配慮されています。

くり抜かれた部分のエッジは面取りされているため、コッキング時に
引っかかりなどは皆無となっています。


HOPチャンバーASSYはダイヤル部分が従来より太くなっており
色も真鍮そのものではなく、黒く塗装されているので目立ちにくくなってます。

HOP調整ダイヤルは付属の大型ノブを取り付けることで、指だけで
調整することも可能になっています。


HOPチャンバー基部を取り外すと、左より給弾口、基部の位置決め穴
HOPダイヤル用穴、取り付けネジ用穴となっています。

給弾口の部分は余裕のあるサイズですが、エッジの面取りがされておらず
紙ヤスリなどを用いて軽く面取りしてあげると、弾に傷が入りにくくなります。


アウターバレル先端は従来通り、マズルキャップにてインナーバレルを
保持する作りになっています。

キャップ側のみ規格を測ったところ、外形11.65mm、ネジのピッチは1.0mm
なので流用できるアダプタがあればサイレンサーを付けても良さそうです。


ストック内部は今まで通り、大きくくり抜かれた形状のため外観の割に
意外と軽量な作りとなっています。

トリガーガード部分、左側の丸く窪んだ部分はシリンダーラッチ操作時の
シリンダーセットピン用逃がし溝です。


トリガーガード&マガジンプレートのネジが入る部分は凹型の基部が
作られており、ネジを締めた際にガッチリと固定されます。

ただし所詮はプラのストックなので、トリガーガード側には真鍮パイプなどで
ピラーベディングを作ってあげるとより確実な固定が出来ると思います。


ストック先端部分はHOPチャンバー基部を支える突起にダイヤル用の穴
QDベースを固定するネジやバイポッドベース用の穴などが見えます。

ちなみにはじめから装着されているバイポッドベースはQDベースを固定する
ネジの下にあり、その後ろの穴には何も取り付けられていません。


HOPチャンバー基部の給弾用プラパーツは形状こそ変わってませんが
押さえるスプリングが左右から二本で支えるのに対して、中央から
大型のバネ一本で支える仕様に変わっており、組みやすくなっています。

この辺りは飛ばして無くす人も多かったとのことでその対策でしょうか。


HOPチャンバーは第三世代と銘打たれた新型構造になっています。
基本的な機能は従来型と代わりはありませんが、分割構造になったため
特にHOPレバーの着脱が非常に楽になっています。

インナーバレルは真鍮製を採用しており、長さは従来とほぼ一緒です。


2012.1.9 加筆

チャンバーの基本的な機能に代わりはありませんが、大きな特徴として
HOPレバーがC字状からO字状に変化、先端部の別パーツ化です。
これによりHOPレバーの組み込みが非常に楽になりました。


インナーバレルを固定する窪みは従来と異なり、円柱状に深く彫り込まれ
芋ネジも先端がフラットに加工されるなど、細かな改良が入っていますが・・
この後、衝撃の事実を知ることに(汗




ノギスを当てたところ、深さ1mmほど彫り込んであったので内面への影響は
大丈夫かと確認してみると・・・明らかに盛りあがってましたorz

インナーバレル外形は8.5mm、内径が6.07か08だった記憶があるので
周囲の肉厚はおよそ1.2mmとなり、そこから彫り込んだ分を差し引くと
その部分だけ肉厚が0.2mmとかなり薄くなっており加工の段階なのか、芋ネジの締め込み具合で
簡単に内側に盛りあがってしまいます。

全部の製品でこうであるのかは分かりませんが、この部分は早急にKTW側で
対策を講じていただきたい部分です。

2012.1.9 加筆

後日、KTWより新品のインナーバレルを送って頂き、併せてバレル加工についても
回答をいただきました。

真鍮の場合、0.2mm近くまで薄くなっていてもわずかな衝撃等で歪むことはなく
今回の場合は固定用の芋ネジをよほど締め込まない限り、内面への盛り上がり等は
無いとのことです。

また、本製品はKTW内で厳密にチェック、組み込みを行っているとの回答を頂きました。
本件に関して早急に対応して頂き、この場を借りて御礼申し上げます。


トリガーボックスは上に突き出す、トリガーバーの周囲が段付きになった以外
ほとんど仕様変更はありません。

一部段付きになった為、従来のトリガーボックスの取り付けは可能ですが
従来品にSPR用ボックスを取り付けるには加工が必要となります。


トリガーメカ内部は従来と変わりない、前倒れ式となっています。
撃っていて感じたのが、従来型のメカと比較して非常にトリガープルが軽く
旧型のVSRタイプメカに近い感触でした。

測定してみるとプル圧はおよそ750g程でした。


2012.1.9 加筆
最後に初速です。
使用したBB弾はCYC製0.2g弾で、HOPは最低位置より半回転回してます。

この状態で85m/s±1~2m/s前後と非常に安定しています。





最後に初期のPre64と復刻版Pre64とのツーショットで。

こうして比較してみると、いかにSPRがゴツいかよく分かります(笑
SPRも非常に出来が良く、今後じっくりとグルーピングテストをしてどれだけの
結果が出せるか気になるところですが・・・

先に挙げたインナーバレルの問題など、詰めが甘い部分も点在しており
従来品が世に出てから色々とプルーフされてきましたが、まだまだ改善点はあるなと思いました。

今までのハンティング路線から、タクティカル路線として梶を切ったSPRは
そのストック形状からゲームだけでなく、各種射撃会などでも活躍出来そうなので
今後どうなるか期待していきたいところです。  

Posted by ハンク  at 22:00Comments(2)エアガンインプレ