2013年04月24日

P226用樹脂ブリーチを使ってみた感想

P226用樹脂ブリーチを使ってみた感想

先日に記載したG.A.W製P226シリーズ用樹脂ブリーチですが、自宅内やシューティングレンジへ
持ち込んでの射撃を繰り返してみて、諸所の見えてきた部分を書き連ねてみようと思います。

まず第一にこの結果は、ほぼ新品状態のP226E2へ樹脂ブリーチを組み込んだ場合による物です。



組み込み段階において

P226用樹脂ブリーチを使ってみた感想

基本的な手順は前回に記載したとおりですが、3Dプリンター成型の為
表面がざらついており、特にシリンダー作動部分への研磨加工を要します。

研磨といっても全体的に行う必要はなく、ブリーチ内面のシリンダー左右のリブが当たる箇所と
シリンダースプリングが納まる箇所の計3箇所を、ダイヤモンドヤスリ等で軽く
均してあげる程度で十分です。


P226用樹脂ブリーチを使ってみた感想

もう一つ、調整が必要な箇所にブリーチに設けられているスライドストップノッチがあります。
画像の通り、僅かな差ですが純正よりも突起が長くなっており(黒く塗った部分、差は約0.5mm)
場合によってはスライドストップと干渉してホールドオープン状態にならない場合があります。

手動で引いてもストップがかからない場合は削って調整する必要があります。
幸いにも、私の個体は無加工のままで問題ありませんでした。


組み込み後の動作について

P226用樹脂ブリーチを使ってみた感想

まず、純正と比較してリコイルが「軽い」というのが大きいですがこれはブリーチの軽量化による
慣性減少だけでなく、ガスカットタイミングの変更も絡んでいます。

分かりやすくするため、樹脂ブリーチ側には黒くマジックで色をつけていますが
純正ブリーチと比較して10mm程短縮されています。
これにより純正よりも早いタイミングでガスカットが入り、通常よりも少ない放出量で
ブローバックメカが作動するようになっています。


と、ここまで書けば低燃費でよりリコイルが抑えられた軽快な動作を可能にする
有用なカスタムパーツに思えますが、落とし穴もいくつか存在します。

まず低燃費で動くことは良いのですが逆にその変化が仇となり、ガス圧の低下に
敏感になってしまうことが上げられます。

ガスを充填し、最初の数発は作動に問題は無くスライドストップも確実に掛かりますが
連射したり等、マガジン内のガス圧が下がりだすと残弾が切れてもホールドオープンしなくなり
また、残弾が残っていても給弾可能な距離までスライドが後退せず、ただブローバックして
空撃ちしているだけの状態となってしまいます。


P226用樹脂ブリーチを使ってみた感想

もう一つの問題点が慣性減少による閉鎖不良です。

これには先述したブローバックストローク不足と、マガジンリップの保持力といった
複数の要素が絡んだ事例ですが、動作チェック中に一度だけ発生しました。

純正ブリーチの場合、給弾可能な位置までブローバックしてからガスカットが入る
タイミングに調整されていますが、樹脂ブリーチの場合はそれよりも早いタイミングで
ガスカットが入ってしまうため、圧が低下して給弾可能域ギリギリの距離しか
ブローバックできていない場合に起きることが分かりました。

尚、純正ブリーチの場合はたとえギリギリの距離しかブローバックできなくとも
重量による慣性でそのまま押し切れるようになっています。


このようにメリットもありますが、明確なデメリットも存在しており、やはり純正のバランスを
崩してしまう以上、なんらかの方法を用いてブローバックメカのバランスを取ってあげる
必要があります。


耐久性について

P226用樹脂ブリーチを使ってみた感想

最後に材質が金属から樹脂に変わることによる、生ガスを噴いた際の耐性について
多少の耐久実験を行ってみました。

ご覧の通り、シリンダーに白い物が付着していますがコレは塗料ではなく
連続して生ガスを噴かせたことで発生した霜です(笑

方法はいたって単純で、銃を逆さまにして意図的に液化ガスを吹かすようにし
その状態でおよそ5~6マガジン分、ガスが切れるまで連続して動作させました。

撃つたびに大量の液化ガスを吹き出すので、総発射回数としては20~30発程度ですが
ブリーチ自体へのダメージはまったく見られず、組みなおして通常動作させたところ
まったく問題なく動作させることが出来ました。

通常使用下における発射寿命については残念ながら時間が取れず、他の同パーツを
テストされているシューターの方に結果を委ねたいと思いますが、先日とあるレンジにて
フリーダムアート製のグロック用樹脂ブリーチを使用されているシューターの方に
お話を聞くことが出来、曰く平均的な寿命としてはおよそ2000発ぐらいではないかと言う
回答を頂き、このP226用樹脂ブリーチも耐久性を論じるならば、その辺りがボーダーの
一つになるのではないかと思います。


全体を通して、使ってみた感想としては使い出のある面白いパーツの一つと思えますが
使いこなすにはガスブローバックガンという機種に対して、一定以上の知識と技術が必須となり
良くも悪くも「上級者向けパーツ」であるということを実感しました。

まだまだ入手してから日も浅く、元の目的であるサバイバルゲームユースに対しての
実用性はもとより、そのためのカスタム方針も含めじっくりとトライ&エラーを続けようと思います。

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Posted by ハンク  at 00:00 │Comments(0)カスタム関係

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